「5年後、どうなっていたいですか?」と聞かれて、言葉に詰まった。
25歳前後になると、面接でも上司との面談でも、この質問を受ける場面が増えます。そのたびに聞こえのいい答えを作りながら、「本当は目標なんてない」と感じている人は少なくありません。
この記事は、25歳で人生の目標がなく焦っている人に向けて書いています。
この記事で分かること:
- なぜ25歳前後で「目標がない」と感じやすいのか
- 長期の目標の代わりに使える「90日の仮目標」の立て方(具体例つき)
- 面接や面談で「5年後」を聞かれたときの答え方の型
先に結論を書くと、5年後が描けないなら、描ける長さまで期間を縮めればいい、というのがこの記事の考え方です。
なぜ25歳は「目標がない」と感じやすいのか
目標がないのは、25歳に限った話ではありません。それでもこの年齢で急に気になり始めるのには、いくつか理由があります。
仕事に慣れて「この先」が見え始める
入社して2〜3年たつと、仕事の一通りの流れが分かり、職場の先輩を見て「数年後の自分」が想像できるようになります。そこでその姿にあまり惹かれないと気づくと、「じゃあ自分は何を目指しているのか」という問いが急に重くなります。
周りの人生が動き始める
同期の転職、友人の結婚、資格の取得、独立。SNSには他人の「決めた」話が流れてきます。周りが動いているように見えるほど、止まっている自分が目立って感じられます。
「将来像を言葉にする」場面が増える
評価面談のキャリアシート、転職活動の面接など、将来像を言語化するよう求められる機会が増えるのもこの時期です。
20代半ばから後半にかけて、仕事や人生の方向に強い迷いを感じる状態は、「クォーターライフクライシス」と呼ばれることがあります。名前がついているということは、それだけ多くの人が通る迷いだということです。
目標がないまま過ごすと、何が起きやすいか
目標がないこと自体は欠陥ではありません。ただ、何もしないまま時間だけが過ぎると、次のようなことが起きやすくなります。
- 転職や異動の機会が来ても、判断の軸がなく決められない
- 数年後に「20代で何もしなかった」という後悔として残る
- 焦りだけが強くなり、勢いで大きな決断をしてしまう
どれも「大きな目標がないから」ではなく、小さく試した経験が少ないから起きることです。逆に言えば、長期の目標がなくても、試した経験が積み上がっていれば避けやすくなります。
長期の目標の代わりに「90日の仮目標」を置く
5年後が描けない人に、5年後を無理に描かせても、作文になるだけです。そこで期間を90日(約3か月)に縮めます。
90日にする理由は3つあります。
- 結果を振り返りやすい:3か月あれば、やったかどうか、合っていたかどうかが分かる
- 失敗しても痛くない:合わなければ、次の90日で変えればいい
- 1年で4回試せる:1年後には「合った・合わなかった」の材料が4つたまる
仮目標の立て方|3つのルール
| ルール | 理由 | 悪い例 | 良い例 |
|---|---|---|---|
| 行動で書く | 気持ちは測れないが、行動は測れる | 「成長する」 | 「業務改善の提案を上司に1つ出す」 |
| 90日で終わる大きさにする | 終わらない目標は振り返れない | 「英語を話せるようになる」 | 「オンライン英会話を週2回、12週続ける」 |
| 「なぜ試すか」を1行添える | 振り返りで何を確かめるかが決まる | (理由なし) | 「人前で話す仕事が合うか確かめたい」 |
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具体例|25歳会社員の90日
例えば、営業職で「このままでいいのか」と感じている人なら、次のように立てられます。
- 仮目標:社内の企画部の人に話を聞く機会を2回つくり、企画書を1本書いて上司に見せる
- なぜ試すか:営業より企画の仕事のほうが合うのか確かめたい
- 90日後に振り返ること:楽しかったか/疲れたか、もう一度やりたいか、上司の反応はどうだったか
結果が「やっぱり営業のほうが合う」でも、それは失敗ではありません。「企画ではなかった」と分かったこと自体が、次の90日を決める材料になります。
振り返りは3つの質問だけでいい
90日たったら、次の3つだけを書き出します。
- やってみて、時間を忘れた瞬間はあったか
- やってみて、強く嫌だと感じたことは何か
- 次の90日も続けたいか、変えたいか
この記録が積み上がると、「自分は何に繰り返し反応しているのか」が見えてきます。
仮目標が1つも思いつかないときのヒント
「90日で試したいこと」すら浮かばない場合は、次の3つの方向から1つ選ぶと決めやすくなります。
| 方向 | 90日の仮目標の例 |
|---|---|
| 仕事の中で広げる | 普段やらない業務を1つ手伝わせてもらう/社内の別部署の人に話を聞く |
| 仕事の外で試す | 気になっていた講座や勉強会に3回参加する/週末に小さな副業を1件だけ受ける |
| 生活を整える | 毎日30分の自由時間を確保し、何に使ったかを記録する |
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どれを選ぶかに正解はありません。迷ったら、一番「失敗しても誰にも迷惑がかからないもの」から始めてください。90日後に合わないと分かっても、次の候補に移ればいいだけです。
大切なのは、仮目標の中身より、「試して、振り返る」を1回まわしてみることです。1回まわすと、「目標がない」という漠然とした不安が、「次は何を試そうか」という具体的な問いに変わります。やりたいことの見つけ方そのものをもう少し掘り下げたい人は、「20代後半に夢がないのは普通?「方向」だけで十分な理由と見つけ方」も参考にしてください。
面接や面談で「5年後」を聞かれたときの答え方
目標がない人が一番困るのが、この質問です。大きな夢や役職名を答える必要はありません。次の3つの要素で組み立てると、目標が固まっていなくても一貫した答えになります。
- 手応えがあった経験:これまでの仕事で、うまくいった・楽しかったこと
- 伸ばしたい方向:その経験の何を、もっと深めたいか
- 最初の1年でやること:その方向に向けて、入社後(または来年)まず取り組むこと
回答例
これまで営業として、既存のお客様の困りごとを聞いて提案を組み立てる仕事に一番手応えを感じてきました。5年後は、特定の役職というより、お客様の課題を整理して形にする力を深め、チームの中でその役割を任される人になっていたいと考えています。そのために最初の1年は、担当業務の中で提案の件数と質を上げることに集中したいです。
この答えには、年収も役職も入っていません。それでも、過去の経験と、向かいたい方向と、直近の行動がつながっているので、「考えていない人」には見えません。
90日の仮目標を続けていると、この「手応えがあった経験」の材料が自然にたまっていきます。
「目標がない自分」を責めなくていい
目標を語るビジネス書やSNSは、どうしても「目標がある人」の視点で書かれています。その中にいると、目標がない自分が間違っているように感じてしまいます。
でも、人生の目標は、最初に決めてから進むものとは限りません。試して、振り返って、また試すうちに、後から言葉になることも多いものです。
25歳で目標がないのは、遅れではありません。今日から90日だけの仮目標を1つ置く。それだけで、「何もしていない」状態からは抜け出せます。
「やりたいことが何もない」という感覚が強い人は「やりたいことが見つからない20代へ」を、もっと根本的な問いに向き合いたいときは「何のために生きてるのかわからなくなったときに読む話」もあわせてどうぞ。
よくある質問
25歳で人生の目標がないのはおかしいですか?
長期の目標がなくても前に進めますか?
面接で「5年後どうなっていたいですか」と聞かれたら、どう答えればいいですか?
目標がない状態が何年も続いたらどうすればいいですか?
まとめ
- 25歳前後は、仕事に慣れて先が見え始め、周りの人生も動くため「目標がない」と感じやすい
- 問題になりやすいのは目標がないことより、何も試さないまま時間が過ぎること
- 5年後が描けないなら、期間を90日に縮めた「仮目標」を置く
- 仮目標は「行動で書く・90日で終わる大きさ・なぜ試すかを1行」の3つのルールで立てる
- 「5年後」の質問には、手応えのあった経験・伸ばしたい方向・最初の1年の行動で答える
まずは今日、次の90日で試したいことを1つだけ書き出してみてください。
