大人になってからも、友達は作れます。ただし、学生時代と同じやり方では動きにくい。
学生のころは特に努力しなくても友達がいました。同じ教室、同じ部活、同じバイト先で、気づけば誰かと一緒にいた。それが社会人になった途端、「友達の作り方」がわからなくなる。新しい出会いはなく、職場の人とは仕事の話で終わり、休日に連絡できる相手が思い浮かばない。「自分はこのまま、友達がいないまま歳をとるのかな」と不安になる人は少なくありません。
この記事では次の3点をまとめます:
- なぜ大人になると友達ができにくくなるのか(構造の問題)
- どこで・どうやって友達を作るか(出会いの場と声のかけ方)
- 作った関係をどう続けるか(関係の維持とペース)
「無理に増やさない」という選択肢も中立に扱います。今の自分に合うやり方を見つけるための参考にしてください。
なぜ大人になると友達ができにくいのか
「自分のコミュニケーション能力が落ちたから」だと思い込んでいる人がいますが、原因の多くは個人の性格ではなく、環境の構造にあります。理由を分けて見ると気が楽になります。
偶然会える「場」がなくなる
学生時代は、授業・部活・サークル・バイトといった、意図しなくても人と顔を合わせる場が常にありました。同じ場所に繰り返しいるだけで、関係は自然に積み上がっていきます。
社会人になると、この「偶然の場」がほぼ消えます。誰かが能動的に「会おう」と動かなければ、人と会わないまま一日が終わります。出会いが減るのは、あなたが内向的になったからではなく、出会いの装置がなくなったからです。
共通の文脈が薄くなる
学生は、同じ時間割・同じ試験・同じイベントという「共通の文脈」を持っていました。だから黙っていても話題がありました。
社会人になると、会社も職種も生活リズムもバラバラになります。相手の仕事の話にどこまで共感できるかわからず、「何を話せばいいんだろう」という壁が生まれます。共通の文脈がないところから関係を始めるのは、学生時代より一段ハードルが高いのは事実です。
時間と心の余裕が減る
仕事・家事・睡眠で一日が埋まり、休日は回復に使います。新しい人と会うには時間も気力も要りますが、その両方が削られています。「友達がほしい」と思いながら動けないのは、怠けているのではなく、単純に余白が足りないだけのことが多いです。
「今さら」という心理的ブレーキ
大人になると、「この歳で友達作りなんて」「今さら声をかけたら変に思われないか」という気後れが出ます。ただし実際には、同じように「社会人になって友達ができない」と感じている人はとても多いです。気後れしているのは自分だけではありません。
社会人になって友達が減っていく流れそのものについては、20代で友達が減っていく理由と、それでも大丈夫な考え方でも詳しく扱っています。
大人が友達を作る出会いの場——どこで出会うか
「どこで友達を作ればいいのか」は、大人の友達づくりにおける最大の壁のひとつです。共通点があり、かつ繰り返し通える場所ほど友達になりやすいです。代表的な選択肢を整理します。
| 出会いの場 | 向いている人 | 友達になりやすさのポイント |
|---|---|---|
| 趣味の集まり・オフ会 | 好きなものがはっきりある人 | 共通の「好き」が最初の話題になる |
| 社会人サークル | スポーツ・アウトドアなど活動したい人 | 定期開催で同じ顔ぶれに会える |
| 習い事・スクール | 学びながら出会いたい人 | 通ううちに自然と顔見知りになる |
| テーマ型コミュニティ | キャリア・副業など課題を共有したい人 | 価値観や問題意識が近い人が集まる |
| ボランティア・地域活動 | 人の役に立ちながら出会いたい人 | 利害がなく、価値観の近い人と会える |
| 友達作りアプリ | 同性の友達・同じ趣味の人を探したい人 | 目的が「友達作り」で明確、効率がよい |
趣味の集まり・社会人サークル
最も入りやすいのが、好きなことを軸にした集まりです。ランニング、登山、ボードゲーム、カメラ、読書——共通の「好き」があると、会話のきっかけに困りません。
ポイントは「一度きりのイベント」より「定期的に同じ人と会える場」を選ぶことです。関係は一度の濃い会話より、繰り返しの軽い接触から育つことが多いです。
習い事・スクール
英会話、ジム、楽器、料理など、学びの場も出会いの場になります。「上達する」という本来の目的があるため、友達ができなくても通う意味があるのが利点です。気負わず通ううちに顔見知りが増えていきます。
テーマ型コミュニティ・オンライン
キャリア、副業、ライフスタイルなど、課題や価値観を軸にしたコミュニティは、年齢や職業を超えて気の合う人と出会いやすいです。オンラインで知り合い、オフ会で実際に会うという流れも一般的になりました。
オンラインのつながりをどう実際の関係につなげるかについては、オンラインのつながりは「本物の関係」になるのかも参考になります。
友達作りアプリ
恋愛目的ではなく「同性の友達」「同じ趣味の仲間」を探す目的のアプリ・サービスもあります。最初から目的が一致しているため効率はよいです。一方で、初対面で会う際は、人の多い場所を選ぶ・個人情報を急いで渡さないといった一般的な安全配慮はしておきたいです。
きっかけの作り方・声のかけ方
場に足を運んでも、自分から動かなければ顔見知り止まりで終わります。とはいえ、いきなり仲良くなろうと気負う必要はありません。
最初の一言は「その場のこと」から
声をかけるネタは、特別なものでなくていいです。今いる場所そのものが共通の話題になります。
- 「これ初めてなんですけど、よく来られるんですか?」
- 「さっきの話、面白かったです」
- 「これってどうやって始めたんですか?」
この程度で十分です。目的を「仲良くなること」ではなく「一度、顔と名前を覚えてもらうこと」に下げると、心理的なハードルがぐっと下がります。
「また会えること」を前提に動く
その場で深い話をしようと焦らなくていいです。同じ場に通っていれば、自然と二度目・三度目の会話が生まれます。一回で印象づけようとせず、「次もいるね」というゆるい関係から始めるほうが長続きします。
自分から少しだけ開示する
質問ばかりだと相手も身構えます。「自分も最近これ始めたばかりで」と、軽く自分のことを先に話すと、相手も話しやすくなります。弱みや本音まで出す必要はなく、ほんの少しの自己開示が距離を縮めます。
連絡先は「自然な流れ」で交換する
何度か顔を合わせて話すようになったら、「次の集まりの連絡、もらえますか?」「これ、よかったら情報交換しましょう」といった具体的な口実で連絡先を聞くと自然です。いきなり聞くより、共有する用事がある状態で聞くほうがお互い気楽でいられます。
関係の続け方——友達になった後が本番
連絡先を交換して終わってしまうのが、大人の友達づくりで最もよくある「もったいない」パターンです。関係は作るより続けるほうが難しいです。
「また今度」を日付に変える
「今度ごはんでも」は、ほとんどの場合、実現しません。関係を進めたいなら、「来週の土曜の夜、空いてますか?」と具体的な日時を出します。具体的にするだけで、会える確率は大きく上がります。
連絡は短く・軽くていい
久しぶりの連絡は気まずく感じますが、その気まずさは相手も同じです。長い近況報告はいりません。「元気にしてる?」「この前話してたあの店、行ってきたよ」程度の短い一言で関係は十分に続きます。
「維持する」より「思い出したら動く」
毎週連絡を取り合う必要はありません。「思い出したときに気軽に連絡できる関係」を保てていれば、それは十分に続いている関係です。頻度より、再び動ける状態を保つことのほうが大事です。
すでにある関係を深める具体的な方法は、30代で「深い友人」を作る方法で詳しく扱っています。新しく作るだけでなく、今ある関係を育てる視点も合わせて持っておきたいです。
無理に友達を増やさないという選択肢
ここまで友達の作り方を書いてきましたが、「友達は必ず増やすべきもの」ではない、という前提も中立に押さえておきたいです。
数より「一人いるか」
友達の人数と幸福感は、必ずしも比例しません。表面的な知り合いが10人いるより、本音を話せる人が1人いるほうが、孤独感は和らぐとされています。「友達が少ない=問題」と決めつける必要はありません。
「世間の普通」に合わせなくていい
SNSを見ると、みんな大勢の友達と楽しそうに見えます。ただし、それは切り取られた一場面です。世間が言う「友達がたくさんいる普通」に自分を合わせる義務はありません。心地よいつながりの量は人それぞれ違います。
ひとりの時間が好きなら、それでいい
ひとりで過ごす時間が好きで、今の関係に満足しているなら、無理に動く必要はありません。「友達を増やさなきゃ」という焦りそのものが、本当は不要なプレッシャーであることも多いです。動くかどうかは、誰かの基準ではなく自分の心地よさで決めていいです。
一人でも、孤独を抱え込まないために
友達がすぐにできなくても、「自分には誰もいない」と思い詰める必要はありません。
友達という形にこだわらなくても、つながりはいろいろあります。たまに連絡する旧友、趣味の場で挨拶する顔見知り、オンラインで言葉を交わす相手——濃さの違うつながりが、少しずつ孤独を和らげてくれます。
「友達がいない」と「孤独だ」は、必ずしもイコールではありません。一人でいることと、孤独を感じることの違いについては、「ひとりでいること」と「孤独であること」は違うで詳しく扱っています。
そして、もし気持ちが落ち込んで動けない状態が続くなら、無理に友達を作ろうとするより、まず自分の状態を整えることを優先してください。友達づくりは、心に少し余白ができてからでも遅くはありません。精神的につらさが長引いている場合は、カウンセラーや医療機関への相談も選択肢のひとつです。
よくある質問
Q. 大人になってからでも友達は作れますか?
作れます。難しくなる理由の多くは個人の性格ではなく、偶然会える場や共通の文脈が減るという環境の変化にあります。意図的に場へ足を運び、繰り返し顔を合わせる機会を作れれば、20代以降でも友達はできます。
Q. 社会人で友達がいないのは普通ですか?
珍しいことではありません。仕事中心の生活になると、共通の文脈や偶然会える場が減り、新しい友達は自然には増えにくくなります。「友達がいない」と感じる社会人は多く、あなただけの問題ではありません。原因の多くは性格ではなく環境の構造にあるため、意図的に場へ足を運べば20代以降でも友達は作れます。
Q. 大人が友達を作るにはどこに行けばいいですか?
趣味の集まり・社会人サークル・習い事・テーマ型コミュニティ・友達作りアプリなどが代表的です。共通点がある場所ほど会話のきっかけが生まれやすく、繰り返し通える場所ほど関係が続きやすいです。一度きりのイベントより「定期的に同じ顔ぶれと会える場」を選ぶと、自然と顔見知りが友達に変わっていきます。
Q. 大人になってから声をかけるのが苦手です。どうすればいいですか?
いきなり仲良くなろうとせず、その場に関する小さな質問や感想から始めるのが負担の少ない方法です。「これ初めてなんですけど、よく来られるんですか?」程度で十分です。会話を長く続けることより、まず一度顔と名前を覚えてもらうことを目標にすると気が楽になります。同じ場に通えば、二度目・三度目の会話は自然に生まれます。
Q. 無理に友達を増やさなくてもいいのでしょうか?
問題ありません。友達の数と幸福感は必ずしも比例せず、本音を話せる人が一人いれば十分という考え方もあります。大切なのは「世間が言う普通」ではなく、自分が心地よいと感じるつながりの量です。ひとりの時間が好きで今の関係に満足しているなら、増やすこと自体を目的にする必要はありません。
まとめ
- 大人になって友達ができにくいのは性格のせいではなく、「偶然会える場・共通の文脈・時間の余裕」がなくなるという環境の構造による
- 出会いの場は、趣味の集まり・社会人サークル・習い事・テーマ型コミュニティ・友達作りアプリなど。共通点があり、繰り返し通える場ほど友達になりやすい
- 最初の一言は「その場のこと」からで十分。目的を「仲良くなる」ではなく「顔と名前を覚えてもらう」に下げると動きやすい
- 関係は作るより続けるほうが難しい。「また今度」を具体的な日付に変え、短く軽い連絡で「思い出したら動ける関係」を保つ
- 友達は必ず増やすべきものではない。本音を話せる人が一人いれば十分という見方もあり、増やすかどうかは自分の心地よさで決めていい
著者について 20代の孤独・お金・キャリアの悩みを扱うブログ「20代の悩み(lonely20s)」の編集部。公的機関の統計・調査をもとに等身大の問いに向き合い、断定や投資推奨はせず読者が自分で判断できる情報整理を方針とする。
最終更新日:2026年6月16日